※本稿は、佐野敏高『ワインビジネス』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。
ワインの本来の味わい探究するために
ワインは適した環境(器)に注いであげることで色々な顔を引き出すことのできる不思議な液体です。毎日、自問自答しながらワインと向き合っていますが、ワインの本来の味わいがどのようなものか結論がでていません。
生産者の貯蔵タンクから直接グラスに注ぐ、ボトルからグラスに注ぐ、ラッパ飲みはどうだろう、手に注いで口に移してみよう、ジョージアのピアラと呼ばれる薄焼きの土焼きの酒器で飲んでみたりとさまざまな実験をしました。
結果、ボトルに詰められたものをワイングラスに入れたものが、自分の知りうる範囲では一般的な楽しみ方においては適していると思いました。
そして、お飲みいただく方、自分自身が納得する味わいを追求するのがワインの終わりなき道なのでしょう。あくまで自分で検証した結果のお話になりますのでいろいろなご意見があると思いますがご容赦を。
グラスが与えるワインへの影響について。グラスは色々な種類があります。
ワインの形状や材質、厚みなどは絵画で言うところの額装と同じようなものです。
ワインをおいしくするためのパートナー。お店でワインをサーブする際は、お飲みいただくシーンに合わせて味わいを適正に表現できるか、最大化できるように調整できるかが鍵になります。
食事に合わせてボトルワインをお楽しみいただく場合は、ボトルの進行具合、液面や食事内容に合わせてグラスの種類を変えます。食事の味わい、ワインの味わいのバランスを最大化させ、お互いが心地よく手を取りダンスができるような環境を造るのです。
事前に立てて提供される準備の整ったワインは、瓶口、ボトルの真ん中、底部までの味わいが異なります。瓶口の味わいは少し控えめな印象、中心に行くに連れて壮大なスケール、自信に満ちたようなエネルギーの存在を感じます。
そして底部に行くに連れて儚く味わいは淡麗になっていきます。もちろんすべてのワインに当てはまるわけではありませんが、ボトル部分によって味わいが違いますので覚えておいてくださいね。ワインの味わいの大きさとグラスの容量は密接な関係を持ちます。

