お金に苦労せず、幸せに生きるにはどうしたらいいか。今年1月に亡くなった森永卓郎さんは「大都市での生活をやめることで、生活コストが下げられる。カネのために働くという呪縛から解放され、悠々自適な生活を送れるようになる」という。著書『保身の経済学』(三五館シンシャ)より、その一部を紹介する――。
経済社会の構造変化が起こるという予言
最近、とても気になっていることがある。
それは2025年が「グレート・リセット」の入り口になると主張する有識者がとても多いということだ。
これまでの歴史とは非連続となるような大きな構造転換が起き、経済社会の仕組みが根本から変わってしまう。それは経済の専門家だけでなく、安全保障、環境、災害、国際政治など、あらゆる分野の専門家が言い始めた予言なのだ。
私自身も、経済・社会のグレート・リセットは起きると考えている。
これまでの保身による問題先送りはすでに限界に達し、社会全体がいつ音を立てて崩れるかわからないところまで追い込まれているからだ。
経済分野でいえば、これまで半世紀にわたって世界を支配してきたグローバル資本主義が終焉を迎えるだろう。
そのきっかけが、自然災害によるものなのか、戦争によるものなのか、トランプ大統領が主導する新しい国際秩序によるものなのか、バブルの崩壊によるものなのかは断定できない。ただ、現状のシステムがこの先、長く続かないことだけは確実だと思う。
そして、そうなる以上、私は現状を守ることよりも、むしろ崩壊を促進して、グレート・リセット後の経済社会の基盤を作る行動に出るべきだと考えるようになった。
ここでは、われわれが今後どう行動すべきなのかを整理していこう。

