【藤川】別にいまお金困っているわけじゃないけれども、この先こういうふうにしたいから、今の生活レベルはこの程度、と決めることが大事です。

【mucco】周りに引っ張られるということもありがちです。

【藤川】以前、40歳そこそこで5000万くらい貯蓄がある方とお話ししていたのですが、その方が保育園へ行くと、BMWに乗ってお子さんを迎えにこられるママがいるそうで、「どうして普通のサラリーマンなのにあんな生活できるのでしょうね、うらやましいです」と真顔でおっしゃるんです。逆に、普通のサラリーマン家庭でそんな車に乗っているということは、相当ローンとかも抱えておられるはずです。そこが見えないんですよね。40歳で貯蓄5000万円のほうがよっぽど羨ましいですよ。

【mucco】見えない部分の差が将来に響いてくると思うんですよね。BSやPLで出してみないと見えない部分は可視化できません。貯蓄がたくさんあっても、現金が積まれているわけでもないので。ある程度数値化したものを自分の中で持っていると違いますよね。

【藤川】その方だって、現金でBMW買おうと思えば買えるんですよ。買えるのに買っていないだけなんです。

【mucco】わかります。お金があるということは選択肢が広いということで、BMWもベンツも買えるし、国産車も買えるし、買わないという選択もある。買えないのではなく、買わない。

【藤川】そう。自分がいいと思って国産の普通のファミリーカーに乗っているなら、いいじゃないですか、フェラーリだって買えるけど、あえてファミリーカー。

【mucco】自分の選択に自信が持てるかどうかですね。多分見栄っ張り消費というのは、私もまだ抜け出せていない部分がありますから。

【藤川】そうなんですか? でも、できている人ほど自分はまだまだって言いますよ。

藤川太(ふじかわ・ふとし)
「家計の見直し相談センター」相談員、ファイナンシャル・プランナー CFP認定者。山口県生まれ。慶應義塾大学大学院理工学研究科を修了後、自動車会社での研究者を経て、ファイナンシャル・プランナーに。2001年以来、「家計の見直し相談センター」で個人向け相談サービスを展開、1万5000世帯以上の家計を診断してきた実績がある。『サラリーマンは2度破産する』『1億円貯める人のお金のルール』など著書多数。最新刊は『年収が上がらなくてもお金が増える生き方』。
※家計の見直し相談センターhttp://www.370415.com/

mucco
ブログ「ケチケチ贅沢日記」を運営する40代前半の派遣ときどき専業主婦。東北地方の短大を卒業後、東京で服飾雑貨の販売とVMD(ヴィジュアルマーチャンダイジング)に従事。雑誌翻訳業を目指しながら働いた外資系企業で、経済的自由と多様性の大切さを知る。
AFP2級ファイナンシャル・プランニング技能士。2007年8月にスタートした月間100万PVの大人気ブログ「ケチケチ贅沢日記」を書籍した『ケチケチ贅沢主義』がベストセラーに。
※ケチケチ贅沢日記http://mucco.exblog.jp/
(撮影=大杉和広)
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