藤川太さん

【藤川】ご自身がそれを突き詰めてらっしゃるというのがすごいですね。その生活ぶりの根底にある価値感がしっかりしているというか。

【mucco】価値観が定まらないとライフプランは描けないし、実行もできないですよね。

【藤川】そうですね。

【mucco】まず今後どう生きていきたいかというライフプランがあって、次にマネープランがあって、その上におしゃれを含めた日々の暮らしがある。

【藤川】そう。結局お金って突き詰めていくと、人生観の話になるんです。どういうふうにお金を使いたいかを考えることで自分が見えてくる。お金にも人生にも限りがあるから。われわれは仕事で家計の見直し相談をやっていますが、その方がどうすべきかを判断するまえに、「どうしたいのか」を引き出していかなきゃいけないんです。上から目線で「こうしたほうがいいですよ」とアドバイスしても、結局それがやりたいことや人生の目標と結びついていないと実行していただけない。

【mucco】私の本にお便りを下さる読者の方は40代半ば以上が多いんです。やっぱりそれぐらいの年齢層でなければ、「そのとおり、腑に落ちる」というふうにはならないのかもしれません。

「このままなんとかなるんじゃないかな」が危ない

【藤川】でもね、じっさいは40歳超えている人のほうが何がしたいかわかっていないんですよ。私の新刊『年収が上がらなくてもお金が増える生き方』のターゲットはまさにそこ。40代、50代で、そこそこお金があっていま困っていないから、将来についてもぼんやりとしか考えていない。このままなんとかなるんじゃないかな~、と。こういう人たちがいちばん危ない。

【mucco】私も若いうちから「ケチケチ贅沢主義」で生きてきたわけではありません。我が家の場合は、夫が外資系の企業で働いていて年収はそこそこあったのですが、税金高いですし、実力主義なのでパフォーマンスを上げるためには疲れないように帰りはタクシーやグリーン車に乗ってしまう、スーツもお客様に合わせてそれなりのものを着ないといけないなど、想像以上に出ていくお金も多くて、あれ、これだけしか残らないの? という感じでした。考えようによっては必要経費なのですが、その部分がけっこうあるなと。