漫然と家計簿をつけているのでは、いつまでも余分な支出に頭を悩ますことに。生涯安心して暮らすことができる「お金の貯まる方程式」を、ファイナンシャルプランナーの藤川太さんに聞きました――。

気がつくと財布の紐はユルユル

一頃流行ったダイエット方法に「レコーディング・ダイエット」がある。毎日自分の体重を測定して手帳に記録すると、「きょうは食べすぎた」などと認識して痩せられるというもの。実は家計簿をつける目的も、このレコーディング・ダイエットと一脈相通じるところがある。使いすぎを意識させ、余分な支出を抑えていこうとしているのだ。

しかし、その効果はあっという間に消え失せてしまう。なぜかというと、マンネリ化するからだ。人間の慣れというのは恐ろしいもので、次第に家計簿をつけることだけで満足してしまう。そして、きつく結んでいたはずの財布の紐は、気がつくとユルユルになっている。

とはいえ、家計簿を上手に使いながらお金を貯めている人は何人もいる。では、それができない人との違いは何かというと、彼らは「未来志向」で家計簿を活用しているのだ。

会社経営に置き換えると理解しやすい。儲け上手の会社は3カ年計画や5カ年計画などに基づき、目標の利益額と、その達成に必要な事業の予算を組む。そして、日々のお金の流れを経理で把握しながら予算管理を行い、「売り上げアップを図れ」「予算を絞れ」といったように、その結果を経営活動にフィードバックしていく。つまり、未来の目標達成に必要なやりくりを常に算段しているわけだ。

一方、儲け下手な会社は無計画なまま行き当たりばったりの経営を行い、経理も日々のお金の出入りという過去のデータを記録するだけ。目標がないので、改善しようという意欲も湧いてこない。先ほどの家計簿チェックに話を戻すと、経営計画に当たるライフプランを立てず、漫然と家計簿をつけているのではいつまでも余分な支出に頭を悩ますことになる。「たまたま今月はこれだけ余ったので貯蓄に回そう」といっても嵩が知れており、結局いくらたってもお金は貯まらない。

いくらなら安心して暮らせるか

何歳のときに住宅を購入し、子どもの教育はどうするかなどライフプランが立てられれば、生涯に必要な生活資金の額がわかる。そして、給与や退職金、それに年金を加えても足りなければ、その分をいまから貯めておく必要がある。たとえば1200万円足りず、定年まであと20年を残しているのなら、1年間で60万円、1カ月では5万円が将来のための貯蓄額となる。