幸せな結婚に必要なことは何か。「もっといい人がいるのでは」と過度の依存心と無力感があると、結婚相手を決めることができない要因になるという。臨床心理士の平木典子さん、明治学院大学心理学部心理学科教授の野末武義さんの共著『大切な人とうまくいく「アサーション」』(三笠書房)より紹介しよう――。
「結婚に至るまでの間に相手を見定める」は大間違い
恋愛時代を経て、結婚を考えるとき――。
悩みすぎて一歩も前に進めなくなってしまうのは考えものですが、そのときこそ「考えておくべきこと、大切にするべきこと」があります。
そこをおろそかにしてしまうと、せっかく結婚しても、その後の二人の生活にマイナスの影響が出てしまうことも少なくありません。
恋愛も結婚も、相手あってのもの。
「この人は私を幸せにしてくれるだろうか?」
「専業主婦になりたい。この人で大丈夫?」
「将来は自分の実家の近くに住みたい。子育てするなら年収だってこれくらい必要。本当に結婚してもいい?」
と、さまざまなことを考えると思います。
このとき、多くの人が陥りがちな落とし穴は、“相手”にばかり焦点を当ててしまうこと。
結婚後、ケンカが絶えないカップルにも共通することですが、“相手が自分に何を与えてくれるか”“相手がどうなのか”といったことに目を奪われていると、思い通りにならないことが起こったときに、ストレスをいっそう強く感じます。
基本は、“自分はどうなのか”ということです。
恋愛が始まったときから、結婚に至るまでの間に、一番やってほしいことは、実は相手を見定めることではなく“自分を知ること”なのです。

