お金の真価はどこにあるか。精神科医の和田秀樹さんは「映画を撮って9000万円ぐらい損をしたことで、趣味ではなく本気だと思ってもらえて映画の仕事が広がっていった。銀座で『100万円のワインの会』に参加してからは、人の輪も広がり友人もできた。ケチケチしないほうがいろんな人と会える」という――。
※本稿は、和田秀樹『どうせあの世にゃ持ってけないんだから 後悔せずに死にたいならお金を使い切れ!』(SBクリエイティブ)の一部を再編集したものです。
お金は使ってこそ真価が発揮される
私には、お金は使ってこそ値打ちが出るものだ、という実感があります。
私が代表・監修を務める通信教育が儲かっている頃、念願だった映画を撮って、9000万円ぐらい損をしました。しばらくは借金を返すのにヒーフーハーフーしましたが、そのおかげで、映画づくりは趣味ではなくて本気だと思ってもらえました。だから、その後、映画を4本撮れたわけです。
映画界の知り合いもたくさんできましたし、いまは日本映画監督協会で理事をやっています。
ワインが趣味になってお金を使い出し、友人もまた増えました。ワイン好きの編集者がいろいろと美味しいワインを飲ませてくれたのがきっかけですが、本格的に好きになったのは2004年のこと。銀座で「100万円のワイン会」というイベントに参加してからです。
当時で650万円の値がついていた1860年代のシャトー・ラフィットが飲めるし、ジョエル・ロブションの手による20種類の料理を食べられて、ロバート・パーカーが選んだ21種類のワインが飲める。そういうイベントに100万円を使う人が、その頃は私以外にもたくさんいたんですよ。

