いま「本物の資本主義」が日本社会を揺さぶっている。大きな仕組みには、もう頼ることはできない。自分で考え、自分で決めるための「武器」とは──。

東日本大震災が起きた11年3月11日以降、これからの時代を生き抜くためには、自分で考えて自分で決断する必要があることが、誰の目にも明らかになりました。これまで多くの人が「きちんと仕事をしているだろう」と思っていた日本政府や東京電力のような巨大企業も、国民の生命の危機に際し、まったく頼りにならないとわかってしまった。この衝撃は非常に大きかったと思います。

京都大学客員准教授 瀧本哲史氏

どんな権威にも、もはや頼ることができない。そんな時代だからこそ、自分で考えて自分で決めることが、ますます重要となってくる。これは私が11年9月に上梓した『武器としての決断思考』『僕は君たちに武器を配りたい』という2冊の本にも共通するテーマです。