経営者は文化芸術を支えるべき

【田原】将来についてもっと聞きたい。新しい商品をつくろうとは思わないんですか。

【岩瀬】つくりたいですね。たとえばスマートフォンで入りやすい生命保険なんておもしろそうじゃないですか。ただ、金融商品のイノベーションは難しい面もあります。ウォーレン・バフェットは、「金融で過去100年に起こったイノベーションはATMしかない。デリバティブなんてイノベーションじゃない」と指摘していましたが、僕も同感。生命保険も同じで、いろいろなギミックはつくれても、本質的にまったく新しいものは難しいかなと。

【田原】生保ですから、資金の運用もやりますよね。08年のリーマンショックの引き金になったサブプライムローンなど、最近はレバレッジをきかせすぎて危なっかしい金融商品も多いでしょ。儲かるときは儲かるけど、失敗すると即倒産。岩瀬さんは、そういう商品をどう思う?

【岩瀬】僕らはそういう商品に手を出すつもりはありません。日本のメガバンクも堅実ですよね。彼らは冒険しない、リスクを取らないとよく批判されますが、金融は社会インフラだから、お役所みたいなつまらなさでいい。実際、サブプライムのときもびくともしなかったですからね。

【田原】でも、正直言って飽きませんか。だって、いまのままでいけばいずれ黒字化するわけでしょ。新しい商品開発も難しいし、運用も安全にやる。同じことを続けていると、僕なら途中でほかのことをしたくなっちゃう。

【岩瀬】僕たちはインターネットマーケティングの最先端を狙っているので、そこは刺激的で飽きないです。ツイッターとかフェイスブックとか使っておもしろいことをやったりとか、マーケティングのチャレンジはもっといろいろ試したいと思っています。