任天堂の称賛しかない転売対策
「Nintendo Switch 2」(以下Switch2に略)の国内向け第1回抽選販売応募期間が終了し、4月24日午後の当選者発表を経て6月5日に発送される予定だ。(第2回抽選販売は4月28日(月)午後以降より応募受付を行う予定)
はたしてどれほどの応募があり、当選者の数はどれくらいなのか。それらはわからないものの現時点ではっきりしているのは、一連の販売方法が称賛を集めていること。主に「転売屋(転売ヤー)」対策として称える声が多いが、その背景には何があるのか。
称賛を集める最大の理由になったのが下記2つの応募条件。
・2025年2月28日時点で、Nintendo Switchソフトのプレイ時間が50時間以上であること(※体験版ソフト、無料ソフトを除く)
・応募時点でNintendo Switch Onlineに累積1年以上の加入期間があり、応募時にも加入していること
これは「ふだんSwitchで遊んでいる」という人を優先させた応募条件であり、当選者の多くから「本当にほしいから転売はしない」という前提が得られる。
また、転売のためだけに有料のNintendo Switch Onlineに1年以上登録する人は少ないだろう(個人プランで1カ月306円)。つまりゲームを購入するだけでなくオンラインの課金をするレベルのコアなゲーマーに限定しているのだが、一方でプレイ時間は計50時間以上と低めのハードルを設定した配慮も見られる。
国内YouTube Live配信の日本新記録
応募条件には、「ファミリープランに加入の場合は、利用券の購入者のみが上記条件を満たす対象となります」「ニンテンドーアカウントの『国/地域』設定が『日本』の方のみが応募・購入いただけます」という但し書きがあった。
さらに“注意事項”として、「日本語・国内専用 マリオ カート ワールド セット5万3980円」「日本語・国内専用 4万9980円」「多言語対応 6万9980円」のうち1種類しか応募できないことが提示されている。
これは1人1回のみの応募であり、それどころか家族1回のみの応募に限るということ。「できるだけ多くの世帯に行き届くように」という配慮であり、単身者の不平等感をなくすためのものにも見えた。家族でSwitchを楽しんでいる人には多少の不満はあるかもしれないが、「スタート時に関しては世帯で1つ」という考え方にはそれなりの平等感がある。
4月2日に配信された「Nintendo Direct: Nintendo Switch 2」の国内同時接続数が328万9590人を記録した。これは国内YouTube Live配信の日本記録を100万人超も上回る新記録であり、いかにコアなゲーマーの期待感が高まっているかがうかがえる。前述した応募条件も踏まえても、最も発信力のあるコアなゲーマーを第一に考えた対応だ。

