田原総一朗が見た駒崎弘樹の素顔
「積極的にパクらせて社会を動かす人である」

「駒崎さんは、若い世代の象徴的な人物だ。駒崎さんたちが生まれてから、日本はずっと景気が悪かった。何をやってもうまくいかずに、政治家も経営者も自信をなくして途方に暮れていた。僕らは政治家たちを叱咤激励して動かそうとしたけれど、駒崎さんは『本人も答えがわかっていないのだから、批判しても変わらない』と冷静な目で見ている。でも、けっして冷めているわけではない。『政治に答えがないなら、僕らがアイデアを出して、実際にやってみせて、パクらせればいい』といって、実際におうち保育園や寄付税制のアイデアを提供した。

自分のアイデアをパクられたといって怒る人はいるけれど、駒崎さんはむしろ積極的にパクらせて社会を動かそうとしている。上の世代には、この発想ができなかった。駒崎さんには、これからもどんどんアイデアを出してほしいと思う」

フローレンス代表理事 駒崎弘樹
1979年、東京都生まれ。99年慶應義塾大学総合政策学部入学。同大学卒業後、NPO法人「フローレンス」を起業し、代表理事に就任する。10年待機児童問題を解決するため、小規模保育サービス「おうち保育園」を開園。『「社会を変える」を仕事にする社会起業家という生き方』(英治出版)、『働き方革命』(ちくま新書)など著書は多数ある。

田原総一朗
1934年、滋賀県生まれ。早稲田大学文学部卒業後、岩波映画製作所、テレビ東京を経てフリーに。活字と放送の両メディアで評論活動を続けている。『塀の上を走れ』『人を惹きつける新しいリーダーの条件』など著書多数。
(村上 敬=構成 宇佐美雅浩=撮影)
【関連記事】
単身、最貧国で鍛えたあきらめない心 -対談:マザーハウス社長 山口絵理子×田原総一朗
育児休暇から復職したら閑職に異動。拒否できるか
「女性管理職を3割に」USJの挑戦
育休取得100%、女性幹部5倍!ダイバーシティ企業は、いま
「働くママ率32%」働きやすい風土とは -富士ゼロックス