二流の「囲い者」は門や庭のない借家住まいだった

表通りからはいった新道にある、格子戸の仕舞屋に住まわせ、婆やひとり、下女ひとりを付けてやる──これは「中」である。

「上」になると、高い板塀で囲まれた門構えの家に住まわせ、庭には石灯篭と松の木があり、奉公人も複数人、付けてやる。こうした妾宅を維持するには、旦那の負担は1カ月に25両(当時の米価などで換算し150万円相当)を越えた。