コツコツ仕事をしてきたが、ポストや昇給に報われない

いくら立派な肩書をもらっても、給料が上がっても、自分の仕事を心から楽しめなければ、本当の意味での仕事のやりがいにはならない。ポストや昇給に報われないことを嘆いているようではプロフェッショナルとは言えない。

そもそも「コツコツ仕事をしてきた」というのも自己評価にすぎない。格言の書の一節にあるように、「愚か者に限って、自分のやり方や考えがまっとうで正しいと思い込んでいるものだ」。

コツコツ仕事をしてきたか、努め励んでいたかどうかは他者が評価することであって、自分から言うことではない。傍から見ればダラダラと効率の悪い仕事をしているようにしか見えなかったかもしれない。きちんと仕事をしていれば、きちんとした成果を得られるはずである。

聖書の言葉

勤勉に自分の畑を耕す人、
自分の仕事にまじめに
励む人はいつも豊かで、
あり余るパンを持っている。
しかし、愚かな怠け者は
ただ妄想を
追っているばかりだ。
愚か者に限って、
自分のやり方や考えが
まっとうで正しいと思い込んで
いるものだ。
知恵のある者はしかし、
人の勧めや忠告を聞いて
受け入れる。
結局、つとめ励む者こそ
人を支配するようになる。
怠け者は人に仕えるしかない。
人間の最大の力とは、
つとめ励むことだ。

格言の書 第12章

※フェデリコ・バルバロ訳『聖書』に準拠

作家 白取春彦
青森県青森市生まれ。ベルリン自由大学で哲学・宗教・文学を学ぶ。哲学と宗教に関する解説書の明快さには定評がある。著書に『超訳聖書の言葉』『超訳 ニーチェの言葉』『この一冊で「聖書」がわかる!』などがある。
(小川 剛=構成 小原孝博=撮影)
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