「怒られながら、褒められながら、助けてもらいながら」
「こういう作業は面倒くさい。でも遠回りのようだけど、これが一番の早道なのかなって。何を言っても(聞き手が)ダメなんだとなったら、人間関係は崩れていく」
秋田県出身。落合さんはプロ入り前、東洋大学を中退し、東芝府中に就職した。
「みんな、怒られながら、怒鳴られながら、褒められながら、分からない時は人に助けてもらいながら、その経験を積み重ねて今があるんでしょ。学校卒業したばかりの若者に、おれんところの会社の仕事をソツなくやれというのが無理だろう」
話題は仕事から、部活動の体罰問題にとぶ。指導者が感情に走ると体罰につながる。
「将来、こういう指導者になりたい。そこを土台にして、指導者がもっと上に行こうとすると、必ず無理が出てくる」
落合さんは東芝で配電盤をつくっていた際、ハンダ付けや溶接がうまく覚えられなかった。
「そうすると、職場の上司が、こうこうやってみたら、と教えてくれた。こうしろとは言わない。いろんなことを、オレらみたいな素人に教えてくれたんだ。技術を持っている人ってたくさんいるので、その人たちに動いてもらうのが一番いいんだろう」
どの世代かといえば、学校なら、生徒が自分の孫くらいの年齢の指導者が一番いいのではないか。「自分たちの仕事をして、定年退職した人たち。もう青筋立てて怒るようなトシじゃないでしょ」というのだった。