まずはビジュアルを優先し、細部は後回しに
たとえば、「500万個を販売し、売上高で業界トップ5に入るという実績をあげた製品」を顧客にアピールしたい場合、資料には「500万個」「業界トップ5」と目立つ数字だけを大きく掲げて、その数値の意味については口頭で説明しよう。これによって「500万個」あるいは「業界トップ5」という実績が、絵として記憶に残りやすくなるのだ。
小さな部品の売れ行きの好調さを示したいなら、まずは実物を見せた上で、「販売実績を積み重ねると、東京タワーの高さに!」のように視覚化してみせる。“小さなサイズ”と“販売数の大きさ”の差異で、よりインパクトを持つだろう。
出荷量「何万トン」よりも「目の前にあるビル3個分!」など、より数値が大きく見えるような工夫は他にもいろいろとあるだろう。大事なのは、聞き手がイメージしやすい“絵”として視覚に訴えかけるほどインパクトが強まり、瞬時に理解され、記憶されやすくなるという点だ。
数字が主体の資料でも、グラフなどによりできるだけビジュアル化を試みよう。細かな数字や文字を書きこんだ資料を“伝える”その場で広げると、わざわざ自分の話から注意をそらす材料を与えているようなものである。詳細な資料が必要なら、“伝えたあと”に渡すほうが望ましい。
大切な顧客など、人と直接向き合い、アピールできるせっかくのチャンスだ。ほんの少しの工夫をすることで、より印象的な機会を演出し、一層の成果につなげたい。
参考資料:
*TED Jamie Oliver Presentation (http://www.ted.com/talks/jamie_oliver.html)
(*1) Paivio,A. [1971[] Imagery and verbal processes. New York: Holt, Rinehart & Winston.
(*2) 高宮徹、井上裕美子 「視覚および聴覚を用いた課題提示が短期記憶に及ぼす影響」(大阪工業大学)
According to dual-coding theory by Allan Paivio (1971, 1986), memory exists either (or both) verbally or “imagenally ”. Concrete concepts presented as pictures are encoded into both systems; however, abstract concepts are recorded only verbally.