ビジネスマンに必要なユーモアとは何だろう。商談中に爆笑をしてもらう必要はないが、相手との距離を縮めたり、よい空気をつくりたい。心をくすぐる程よいスパイス加減とは。各界の先達たちの言葉からそのあり様を探った。
アップル創業者
スティーブ・ジョブズ
(AFLO=写真)
スティーブ・ジョブズ
(AFLO=写真)
アップル創業者、スティーブ・ジョブズのユーモアからはひたむきさに加えて、アメリカ人らしい明るさが伝わってくる。『驚異のプレゼン』という本に載っているエピソードだが、彼がプレゼンしている最中、手に持った発信機が壊れ、スライドがすすまなくなった。普通の経営者なら焦ったり、部下を小声で叱りつけるところだが、ジョブズは高校時代のいたずらについて話し始めた。
「スティーブ・ウォズニアクと僕とでテレビの妨害機っていうのを作ったことがあるんだ。小さな発信機でテレビが映らなくなる妨害電波を出す。(中略)みんなが『スタートレック』とか見てるわけだ。そのテレビをウォズが妨害する。そしたら調整で直そうとするヤツがいるわけさ。そいつが足を上げたとたんに妨害をやめる。そいつが動くとまた妨害する。そんなことを5分もやっていると、こんな風になったりするんだ」
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