ドラッグストアで気軽に買える市販薬。しかし、市販薬を自己判断で選ぶのは実は難しい。ときには健康被害を受けることも。現役薬剤師に正しい選び方を聞いた。
片手の手のひらに薬を乗せ、もう片方の手で水の入ったコップを持つ人
写真=iStock.com/Thai Liang Lim
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知っておきたいのは「薬は毒」という大前提

医薬品には大きく医療用医薬品(処方薬)と市販薬(OTC医薬品)があります。医療用医薬品は病院を受診して医師に処方せんを発行してもらい、それに基づいて薬剤師が調剤する薬のことです。これに対して市販薬は、薬局やドラッグストアで患者自身が処方せんなしに購入できる薬のことです。

医療用医薬品は効果が高い半面、特に副作用に注意が必要な薬です。これに対して市販薬は効果が穏やかで、その分副作用のリスクも少ない薬です。市販薬のほうが効果や副作用が穏やかなのは、入っている成分量が医療用医薬品に比べて少ないからです。同じ成分であっても、患者が自己管理の下で使うことを前提とした市販薬は、医療用医薬品に比べて含有量が2分の1から3分の1程度に低く抑えられているのが一般的です。