こづかいは収入の10%が上限
一方、苦戦しているのが田中さんの家計。これまでは毎月貯金ができていたのに、子どもが塾に行くようになってから貯金ができないばかりか、毎月赤字になってしまった。
原因はわかっている。田中さんのこづかいが多すぎるのだ。こづかいは夫婦合わせて収入の10%程度が目安だが、田中さんは1人で3万5000円も使っている。田中さんの趣味は車で、こづかいはほとんどパーツ代に消える。「これだけは譲れない」と言い張るものの、ここは我慢してもらいたい。これからは教育費も増えるので、食費や通信費なども早めに削減しておこう。
もし住宅を買わず賃貸暮らしを続けるなら、老後の家賃分を貯めておくことも念頭においてほしい。田中家の場合なら、妻が働きに出れば家計は大幅に改善するはずだ。
節約に慣れた家庭なら、年金生活に入っても生活費を大きく下げずにすむ。老後に笑って暮らすのは収入の少ない家庭といえるかもしれない。
山口家はここが優秀!
家族みんなが協力できるメリハリのある節約体制
節約するポイントを押さえた優秀家計。食費、教育費など膨らみがちな項目の節約に重点を置き、ほかは無理していないので家族の協力も得やすい。家族旅行の予算をとっているところも◎。ただ、専業主婦家庭なので保険にはもう少し入ったほうがいいだろう。教育費が増えてきたら妻が働きに出る方法もある。 大学進学には奨学金を利用することも考えよう。
田中家はここを改善!
こづかい削減で赤字解消。ローンで車を買うのはNG
妻が頑張って節約しているのに赤字なのは残念! 夫のこづかいを減らすだけで赤字は解消する。ボーナスの赤字補てんを貯金に回し、旅行費用はクーポンサイトを利用して年10万円に抑えよう。教育資金が足りなくなれば、妻が働きに出るのが確実だろう。ローンで車を買うのはもちろんNG。ローンで買っていいのは住宅だけと心得ること。
(有山典子=編集・構成 PIXTA=写真)