メリハリのある節約で楽しく暮らす

(PIXTA=写真)

2010年のサラリーマンの平均年収は約412万円。男性サラリーマンの4割以上が年収400万円以下で働いている状況だ(国税庁『民間給与実態統計調査』)。今や、年収300万円の暮らしは普通といっていい。

年収300万円から社会保険料などを引くと、毎月の手取りは23万円程度になる。これで家族が暮らすとなると、家計の引き締めは必須。だが、厳しいからこそ、家計をきちんと管理して堅実に暮らす家庭が多いというのが実感だ。毎月赤字を垂れ流し、ボーナスで穴埋めを繰り返すのは、むしろ収入の高い家庭のほうに多いといえるだろう。

そんな堅実生活の典型例が山口さんの家計。住宅購入時に頭金を払って減った貯金が順調に回復、現在の残高は400万円になっている。

山口家の家計のポイントは、まず食費が収入の約13%にあたる月3万円に抑えられていること。小学生の子ども2人以下なら、食費は収入の15~16%程度が理想だ。

食費が月3万円だと、予算は1日1000円。山口家では、3日で3000円を目安に食材をまとめ買い。肉は小分け、野菜は下ごしらえして冷凍保存。残さず最後まで使い切る工夫をしている。

もう1つのポイントは教育費。小学生2人の場合、収入の12%以下に抑えるのが目標だ。山口家では2人とも塾に行かず通信教育を利用することで、教育費を8.8%にあたる2万円に抑えている。

とはいえ、節約ばかりしているわけではない。ボーナスから予算をとって毎年、家族旅行は欠かさない。こんなメリハリのある使い方も、節約が長続きする要因の1つだ。