人間関係がうまくいっている人とそうでない人の違いは何か。社員教育コンサルタントの朝倉千恵子さんは「人間関係は鏡のようなもの。周りに対して感謝の気持ちを持っていない人は周りから感謝されない。感謝を忘れた人は、50代前後で人間関係が一気に崩壊する」という――。
「努力が報われない」のは誰のせい?
年間1万人近いビジネスパーソンにお会いする中で、さまざまな悩みを耳にします。その中で意外にも多いのが「こんなに頑張っているのに、誰も評価してくれない……」「もっと感謝されてもいいのに……」といった「報われない系」の悩みです。
「ありがとう」という言葉は、自分自身の嬉しい気持ちを相手に伝えるための特別な言葉です。人から「ありがとう」をいただけないということは、もしかしたら周囲の人を喜ばせたり、嬉しい気持ちにさせたりすることがあまりできていないのかもしれません。
周囲の人から感謝されないということは、努力が報われないという「虚しさ」だけの問題にはとどまりません。こうした不満や心の疲れは、自己肯定感を大きく下げてしまい人生の幸福感にも影響します。さらに信頼の醸成がされていないことで、人間関係やキャリアにも悪影響を与える可能性は十分にあります。
「自分はやるべきことはちゃんとやっている」「相手のことを考えている」「善意で動いている」という方もいらっしゃいますが、感謝や善意、努力があることと、それが相手に伝わるかどうかはまた別の話です。
なぜ、同じように努力しているはずなのに、周囲から「感謝される人」と「されない人」がいるのでしょうか?