街の人の印象が旅人によって違う理由

まず、結論をお伝えすると、感謝心が強い人ほど、周囲からも感謝されます。

「もっと感謝されたい」と思うのであれば、まずは自分自身がどれだけ「感謝の気持ち」を持ち、周囲に伝えているかを振り返ることからはじめなくてはいけません。

人間関係は「鏡」のようなものだと私は考えています。自分が周囲に示す言葉や行動が、そのまま相手の反応となって返ってくるからです。

こんな寓話があります。

ある旅人が見知らぬ街を訪れ、駅員にこう尋ねました。「この街の人は、挨拶もしないし、不親切で感じが悪い」と。それに対し、駅員は「そうですね。この街の人は内向的で、あまり自分から挨拶しない人が多いです」と答えました。

しかし、別の旅人がやってきて、こう言います。「この街の人は、みんな親切で、道も丁寧に教えてくれる。来てよかった!」――すると駅員は、先ほどと真逆のことを言いました。「そうです。この街の人たちは本当に親切で、温かい人ばかりなんです」

その様子を見ていた人が、「どちらが本当なんですか?」と尋ねると、駅員はこう答えます。「どちらも本当です。鏡ですから」

「ありがとう」と言える人は感謝される

これはまさに、現実の人間関係にも言えることです。自分が相手に対してどのように接するかによって、相手の反応や態度も変わります。例えば、笑顔で挨拶をすれば、相手も笑顔で返してくれる。逆に不機嫌な態度で接すれば、相手も同じように不機嫌になるでしょう。

「感謝」という点でも同じです。自分自身が感謝心を持ち、周囲に対して「ありがとう」を伝え続けている人は、自然と周囲からも感謝される存在になります。感謝心が強い人の周りには、「この人を大切にしたい」「この人と一緒にいたい」と思う人が集まり、信頼や愛情が育まれるからです。

一方で、感謝心が薄く、自分本位の態度が目立つ人は、どれほど努力しても周囲からの評価や信頼を得ることが難しくなります。なぜなら、相手も無意識のうちに「この人は自分を大切にしてくれない」「自分のことばかりだ」と感じてしまうからです。

もし、「こんなに頑張っているのに、周囲は感謝してくれない」と思うのであれば、まずは自分自身の日ごろの態度や行動を振り返ってみる必要があります。