面接においても重要なのは「傾聴力」

もちろん、SMARTのステップが常にスムーズに進むとは限りません。だからこそ、面接全体を通して「傾聴力」が大切になる、と田村さんは強調します。

「外国だと自分の価値はこうだからこれくらいほしい、というようにドライな交渉もありえます。しかし、謙虚さを重んじる日本のカルチャーにはあまりフィットしないでしょう。できるだけ謙虚に『前の会社ではこんな経験を積ませていただきこんなスキルを身に付けました』と丁寧なコミュニケーションを心掛けましょう。

面接は何かを主張するだけの場ではありません。相手と自分のニーズをすり合わせ、信頼関係を築くための場です。そのためには時折質問を挟みながらでも、“主張”するのではなく、“傾聴”することが大事です。『返報性の原理』とも言いますが、人間は相手から何かを受け取ると『お返ししよう』という気持ちが働き、このやり取りを繰り返すことで信頼関係が強まります。これは問いと答えの関係にも当てはまりますよね。『私はこういう人物ですが、御社は今どんな方を求めていますか?』とカジュアルに聞いて、面接官との目線を合わせていく。すると面接官も、闇雲に主張するだけでなく自分たちのニーズとマッチするか確かめてくれているんだな、とあなたを高く評価するはずです。

ピンポイントに自分の強みを主張して、企業のニーズにぴったり当てはまることは稀です。自分の価値をさまざまな視点から整理したうえで面接に臨み、年収アップを勝ち取ってください」

まずは自分の価値を整理し、傾聴力を鍛える。その段階から企業との年収交渉は始まっているのです。

取材・文:MEETS CAREER編集部・山田井ユウキ 編集:はてな編集部 制作:マイナビ転職
【出典】
※マイナビ転職「転職で年収アップした人は4割。30代の約5人に1人は100万円以上の年収アップに成功

当記事は「MEETS CAREER by マイナビ転職」からの転載記事です。MEETS CAREER by マイナビ転職は、キャリアや生き方、年収アップのヒントを学び「なりたい自分」の解像度を上げるメディアです。時代を牽引するリーダーや自己実現を目指す人たちの思考や行動をインタビューを中心にお届けしています。元記事はこちら
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