さらに、「年収アップに成功したものの、理想の年収には届かない」と回答した人は全体の約6割にも上ります。
理想の年収と現実の年収のギャップは全世代平均で100万円以上にも上っており、このことから「転職で年収が上がった人は多いものの、思ったほど増額できていない」という現実が見えてきます。
なぜ転職しても思うように年収が上がらないのでしょうか。理由の一つとして考えられるのが、転職時の年収交渉がうまくいっていない、またはできていないことです。アンケートによると、転職時に年収交渉を行った人は約半数に過ぎず、年収アップを目的として転職した人でも77.4%に留まることが分かっています。
つまり、年収アップを目指して転職活動をしたのに、年収交渉をできていない人が2割強もいるのです。
なぜ年収交渉をしないのか。アンケートでは「交渉することで印象が悪くなることを懸念した」「交渉すること自体に抵抗があった」などの理由が挙がりました。ほかに「交渉するタイミングがなかった」や「交渉の方法が分からなかった」といった回答も見られ、そもそも交渉という行為に慣れていない人が多いとも言えそうです。
たしかに、面接でお金の話をし過ぎると、良くない印象を面接官に与えてしまいそうなイメージもあります。でも、そのせいで年収が上がらなければ本末転倒ではないでしょうか。この点は、転職活動のジレンマと言えるでしょう。