「ほら!」より「どうぞ」と渡したほうがいい
お年玉は、金額よりも「渡し方」や「声かけ」の仕方が、子どもの記憶に強く残るものです。この経験が将来の金銭感覚だけでなく、人との関わり方にも影響を与えます。
例えば、「これで素晴らしい経験をしてね」と声をかけながら渡す場合と、何も言わずにそっけなく渡す場合では、子どもの受け取り方やお金に対する印象が大きく変わります。
私のエピソードですが、お年玉は「ほら! お年玉」ともらう印象があります。羽振りのよい自営業の親戚は、年末が書き入れ時で多忙だったせいか、ドライに「ほら!」と小学生の私に5000〜1万円渡していたのです。
両親や他の親戚からは、「はい、どうぞ」と優しい声かけでもらっていたのですが、よりインパクトの大きい原体験が影響を与えるものだと驚いています。私がお年玉をあげる時は、「どうぞ」と言って渡していたと思いますが、気をつけたいものですね。
親戚同士で「ルール」を決めるのも一手
また、お年玉はお小遣いとは違い、祖父母や親戚からもらうことが多いため、家庭内の価値観の違いが子どもに影響を与えやすいものです。金額が少ないと不満を持ったり、多すぎると感謝の気持ちが薄れたりすることもあるでしょう。
そのため、事前に親戚同士で話し合い、金額の目安や渡し方について話し合うとよいでしょう。統一されたルールがあれば、子どもも安心して受け止めることができます。ぜひ実践してみてください。
さらに、子ども同士でお年玉の額を比べ合うシーンも念頭に置きたいところです。金額の大小で人を判断したり、劣等感や優越感を抱かないように伝えることが重要です。
例えば、「お年玉は、くれた人が一生懸命働いて得たお給料や年金から出したもので、あなたの成長を応援するために贈られたものだよ」と説明することで、お金の背景にある思いや努力を理解させることができます。また、くれた人にお礼の手紙を書くように促すと、お金に対して感謝の心も育てられます。