自由に使わせる場合、親の声かけが重要
先ほど紹介した事例を見ると、もらったお年玉を子どもに自由に使わせるより、ある程度親が管理するという家庭のほうが多いのかもしれません。
金融経済教育推進会議の金融リテラシーマップ(2023年6月改訂版)によると、子どものうちに、必要なもの(ニーズ)と欲しいもの(ウォンツ)を区別し、計画的な支出ができるようになることが大切です。これを踏まえて、お年玉の管理方法別メリット・デメリットを比較してみましょう。
子どもの年齢や性格に合わせて管理方法を選ぶことが大切です。この3つの管理方法をバランスよく組み合わせましょう。自由に使わせる場合は、例えば「何に使いたい? これを買うのは必要だから? 今欲しいから? よく検討して使おうね」と声かけをすると、子ども自身がニーズとウォンツを考えるきっかけになります。
私の「自主的なお金の貯め方」の原点
また、お年玉を貯金する場合は、子ども名義の銀行口座で管理するとよいですね。子どもと一緒に銀行に行って口座開設をすると、自主的な収支管理能力がつくでしょう。
私は小学3年生の時に銀行に行って、自分名義の口座を作り、お年玉を貯金した経験があります。今でもその時の様子は鮮明に覚えており、「自主的なお金の貯め方」の原点となりました。
子どものお年玉は、社会人のボーナスのようなものです。将来に備えることも大切ですが、お金を使うことに罪悪感を持たず、計画的に楽しむことも必要です。「人生は今を楽しむことも大切。自分へのご褒美が彩り豊かな人生にしてくれる」経験もさせてあげましょう。健全な金銭感覚が身につくでしょう。
親の管理が厳し過ぎると、将来子どもがお金に対して過剰な欲求や恐れを抱くリスクがあります。「反動で、大人になってお金をパッと使うようになった」ことも考えられますので、管理もほどほどにしましょう。