地元メディアやライターに営業をかけた結果…

廃業予定の明治創業のお菓子屋、4代目に専業主婦が就任。オンラインショップをリニューアルし、売り上げが2倍に(2021年9月3日配信)

知り合いのライターさんに依頼して作ったこのプレスリリースを、名古屋の記者クラブ、地元メディア、ネットニュース、出版社などへ発信しました。地道に、一歩ずつ。この一通のプレスリリースが直後、ボディブローとして効いてくるのです。

元祖 鯱もなか本店が感謝してもしきれないほどお世話になったキーパーソンは5人いるのですが、そのうちの1人が“名古屋ネタライター”大竹敏之さんです。何を隠そう、「鯱もなか」が大バズリしたきっかけである「Yahoo!ニュース」の記事を書いてくださった張本人です。

僕がもともと大竹さんの大ファンで、偶然参加したイベントでご挨拶をしたことからご縁が生まれました。2021年9月。熟考を重ねて作成したプレスリリースを思いつく限りのメディアに送ってみたものの、なかなか思うような反応はありませんでした。そこで浮かんだのが、大竹さんでした。

さまざまな媒体で記事を書かれている大竹さんなら、懇意にしているメディア担当者を紹介してくれるかもしれない。一方的でわがままな申し出とわかっていましたが、一縷の望みを託して大竹さんにメッセージを送りました。すると驚いたことに、その日のうちに返信があり、翌日にはお店を取材してもらえることになりました。

こうして、まさかの「Yahoo!ニュース」記事の取材を受けることになりました。

記事の配信直後から注文が殺到

2021年9月11日午後5時過ぎ。大竹さんから、夕方頃に記事が公開になると聞いていた僕が「そろそろかな?」とスマホを手にした瞬間、店の電話が鳴り出しました。他のスタッフが電話応対をしていると、今度は同じ店内にいた妻のスマホが「チャリ~ン」「チャリ~ン」と慌ただしく鳴り始めました。

元祖 鯱もなか本店のオンラインショップで販売されている商品
著者提供
元祖 鯱もなか本店のオンラインショップで販売されている商品

じつはこの音、オンラインショップで注文が入った際に通知音が鳴るよう設定していたもの。つまり、立て続けにオンラインショップで商品が売れているということです。もしかしたら、いや、きっと、記事を見た人から「鯱もなか」の注文がどんどん入っているに違いない。

「こんなに連続して通知が来ることなんて、いままでなかったね。やっぱり大竹さんの記事の効果はすごいね!」

切れ目なくかかってくる電話の対応に追われながらも、このときの僕らにはまだそんな会話ができるくらいの余裕がありました。日付が変わって、9月12日の0時半過ぎ。スマホの通知音は、鳴りやむどころか、さらに鳴る頻度が高まっていきます。