社内会議をダイエットする

【澤円】では、そのサポートについて伺います。チームリーダーなどマネージャー層がメンバーの働きがいを高めていくためには、どのようなアプローチが有効でしょうか。

【越川慎司】再現性が高いアクションとしては、1on1ミーティングがおすすめです。これは、先に触れた、メンバーとの対話のなかで具体的な行動目標をつくるためのものです。ただ、リーダーは多忙のため、対話の時間を取るのは簡単ではありません。でも、睡眠時間を削って対話の時間をつくろうとすると、健康状態を損ねて逆に業務効率低下を招いてしまいます。

ですから、睡眠時間とは別のものを減らしてほしいのです。それは、ズバリ社内会議です。わたしたちの調査では、労働時間の実に39%が社内会議にあてられていることが見えてきました。社内会議をダイエットしてメンバーとの対話の時間をつくり、一緒に行動目標をつくってほしいのです。

澤円さん
写真=石塚雅人
澤円さん

承認を得るための「仮説」を立てる

【澤円】なにをすれば承認されるのか、そして自由の獲得につながっていくのかということが明白になるわけですね。一方、自分の働きがいを高めるために、メンバー自身ができることはありますか?

【越川慎司】自分の行動を「見せる化」することです。例えばセールスパーソンなら、ただ営業目標を達成するだけではなく、「マーケティングのプロジェクトにも参画して一緒に成功させたい」といった自分がやりたいことについての意志をリーダーに見せていくのです。その結果、「それいいね」とリーダーがいった瞬間、それはリーダーとメンバーの共同目標になりますから、達成すれば承認にも確実につながります。

達成したい目標が上から降ってくるのを待つのではなく、「こうすれば承認されるだろう」という仮説を基に自分から目標を見せていくというのが、優秀な若手社員の多くに共通して見られる成功パターンです。