尹の安全保障重視型のアプローチにより、防衛問題についてこれまで以上にアメリカと緊密に連携し、植民地支配などの遺産を理由に長年関係がうまくいっていない日本ともより緊密に連携してきた。
尹は2023年にキャンプ・デービッドでジョー・バイデン米大統領と日本の岸田文雄総理大臣(当時)との日米韓首脳会合に参加。これが日本との関係改善のはじまりだった。
それ以降、日韓は北朝鮮による核兵器使用の可能性を想定し、アメリカとの前例のない共同軍事演習に参加してきた。北朝鮮はこの演習を「核同盟」と呼び、脅威と見なしている。
韓国がアメリカとの連携を強め、韓国に3万人近い米兵を駐留させていることも、中国にとっての懸念事項だ。
中国は地域的な「連合」や「派閥」の形成について、中国の台頭を抑え込もうとするための戦略の一環と見なして頻繁に警告を発している。
また中国は、韓国がアメリカ主導の(日米豪印でつくる)協力枠組みの「クアッド」に関与し、日本との防衛協力を強化させていることについても、自国を封じ込めるための戦略の一環だと考えており、これが中韓関係のさらなる緊張につながっている。
この3カ国の枠組みが崩れることがあれば、中国にとっては日本と韓国に個別に対応できるようになるため有利な状況となる。