日記にあらわれる紫式部の影
ただ、史料に紫式部の影がまったく見えないということではない。「光る君へ」で秋山竜次が演じている藤原実資の日記『小右記』には、たびたび取り次ぎの女房が登場する。
『紫式部日記』によると、上級貴族たちが中宮の御所を訪れ、中宮になにかを伝える場合、中宮に直接伝えるのではなかった。それぞれの貴族に「おのおの、心寄せの人(それぞれがひいきにしている女房)」がいて、その女性を介していた。御簾越しに要件を女房に伝えると、女房はそれを中宮に取り次いでいた。
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