勉強している間は不安を忘れられるため、英語は格好の時間つぶしになった。だが3年が経って海外の雑誌がだいぶ読めるようになると、日本への誤解や偏見に満ちた記事に腹が立ってきた。そこで日本人を代表するような使命感に駆られ、英文で反論を送るようになった。これは結果的に英作文の練習になった。気がつけば、私は英語を学ぶことが楽しいと思うようになっていた。今でも学ぶことは楽しい。またお金がたまったら、もう1度引きこもって勉強し直したいぐらいだ。

私の経験から言えることは、「英語学習に近道はない」ということだ。しかし逆に言えば、コツコツやれば誰でもTOEIC 900点はとれる。語学学校や海外留学をする必要はない。たくさん文章を読み、発音を練習し、単語を覚え、忘れたらまた覚える。私が好きな言葉――「愚直」にやることが最高の勉強法だと信じている。

「イングリッシュ・モンスター」高得点を約束する7カ条

1.英語は単語の集まったモンスターだと思え
2.とにかく「忘れては覚え」の繰り返し
3.問題集は1冊をやりつくせ
4.好きなジャンルの英文をインターネットで読め
5.主語と動詞を最初に見つけろ
6.「カタカナ英語でいい」と開き直るな
7.高得点をとる特別なテクニックなんかない

菊池健彦(きくち・たけひこ)
1959年、青森県生まれ。北海道大学文学部を卒業後、洋書店に入社。34歳のときに退社。引きこもり生活に入り、独学で英語学習を始める。7年後に貯金が底をつき、英語講師を目指して試しに受けたTOEICで970点をとる。以後、990点満点を38回記録している(2013年3月現在。ナラド エンタテインメント公式サイトより)。海外渡航経験なし。独身。著書に『イングリッシュ・モンスターの最強英語術』(集英社)などがある。
(構成=鈴木 工 撮影=市来朋久)
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