身近な存在になりつつある「億ション」

「億ション」といえば、かつては富裕層の象徴でした。それが今や1億円を超える物件は珍しくなくなり、都市圏だけでなく地方都市でも販売戸数が増加して、昔よりも身近な存在になってきました。セキュリティやサービスの質の高さ、住人によるコミュニティの充実などのメリットを踏まえると、億ションには1億円相応の魅力があると言えます。

億ションの購入を検討する場合、物件の価格ばかりに意識が向きがちですが、購入後もコストが高くなることを考慮しておく必要があります。固定資産税や管理費・修繕積立金が高くなるのはもちろんのこと、同じマンションに住む人たちの所得層も高いので、それに合わせて生活費や子どもの教育費も高くなりがちです。かなり無理をして億ションに住むと、周囲のレベルに合わせようとして生活に支障が生じる可能性があります。

そもそも、住宅ローンの年収倍率は5倍程度が目安というのが定説で、それを超えると家計が厳しくなります。たとえば、共働き世帯の平均年収といわれる約850万円の場合、その5倍は4250万円。相当な頭金がなければ、億ションのローンはとても組めません。それでも購入したい場合は、親からの資金援助が不可欠になります。世帯年収1200万円の共働き夫婦が、親からの資金援助が4000万円以上あるという条件でやっと1億円程度の物件を検討できる水準です。それ以上の物件だと、かなり無理をすることになる可能性が高いでしょう。