子供時代の失敗経験が少ないと受験に弱い
それでも、そのリスクを取ってでも「東大を受験しよう」と考える人は、どういう人なのか。それは、「挑戦すること自体に価値があり、失敗したとしても無駄になるわけではなく、自分が成長するチャンスになる」ということを理解している人なのだと思います。
そういう人は、果敢に挑戦することができ、のびのび勉強できて、かつ「不合格になったらどうしよう」と考えて緊張してしまうことも少ないです。模試で点数が悪くても「この失敗から学ばなければ」と考えてしっかりダメだったポイントを分析できます。
このように、「失敗にも意味がある」と思える人の方が、努力して成長を続けることができるのです。
逆に、大学受験に弱い受験生の特徴は、「子供の頃の失敗経験が少ない人」です。小さい頃に失敗した経験が少ないと、ちょっとした失敗を許容できず、簡単に「もうダメだ」と考えてしまうことが多いです。
例えば模試の点数が思った以上に低かった時に、その失敗となかなか向き合えず、ショックを受けて勉強が手に付かなくなってしまったり、その結果を直視できずに「どこがダメだったのか」の分析をおろそかにしてしまいます。
多少の失敗は、「小さな失敗」です。ちょっとテストが目標点数に足りていなかったとか、模試の順位が低かったとか、そんなことは些細な問題でしかないのです。
「成功の数」より「挑戦の数」
本当に恐ろしいのは、「小さな失敗」を恐れすぎるあまり、挑戦せず、低い目標のままでずっと推移してしまうことです。挑戦をしないことの方がよっぽど、「大きな失敗」だと言えるのではないでしょうか。
「自然に育った農作物は病気に強いが、無菌室で育った農作物は病気に極度に弱い」と言います。挑戦から遠ざけられ続けた子供は、挑戦にどんどん弱くなっていってしまうわけです。
重要なのは、失敗してもいいから、子供の時から何度も「挑戦」をさせることです。それも、「成功しそうな挑戦」ではなく、「失敗するかもしれない挑戦」に果敢にチャレンジしてもらうことです。
どんなことでも1位を目指させたり、ちょっとした勝負事でも本気になるように言ったり、手を抜いているなと思ったらそれを指摘したりする。「成功」の数ではなく「挑戦」の数が多くなるような指導をしていくのです。
そうすると、子供はどんどん成長の機会を得ることができ、他の生徒よりも強く逞しくなっていきます。そしてそういう生徒は、大人になってからも、大学受験以外の場でも、スポーツでも資格試験でも、就職でもビジネスでも、頑張ろうという気持ちが湧いてくることになると思います。ぜひ、参考にしてみてください。