心が強い人にはどんな習慣があるか。心理学者の内藤誼人さんは「『バカ』『アホ』といったののしり言葉は下品で人前での使用は控える風潮だが、実はののしり言葉を喚いたときのほうが、口を閉じているときよりも我慢できたという調査結果がある。やりたくない作業に取りかかる前に、一言、二言、心の中で『チクショウ』などと叫んでから始めてみるといい」という――。

※本稿は、内藤誼人『考えすぎて動けない自分が、「すぐやる人」に変わる本』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。

ノートパソコンの前で叫ぶビジネスウーマン
写真=iStock.com/Phawat Topaisan
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ののしり言葉を喚くことの意外な効果

「バカ」とか「アホ」といった言葉は、ののしり言葉と呼ばれています。

そういう言葉は下品ですので人前ではあまり使わないほうがいいのですが、実はののしり言葉には、「自分を強くする」という意外な効果もあるのです。

英国キール大学のリチャード・ステファンズは、ののしり言葉を口に出しながら、あるいは何も口に出さないで冷たい水の入ったバケツに手を突っ込ませ、できるだけ我慢をしてもらう、という実験をしてみました。

その結果、男性であれ、女性であれ、ののしり言葉を喚いていたほうが、簡単にギブアップすることもなく、長く我慢できることがわかったのです。

実際の結果も示しておきましょう。

ステファンズによると、実験に参加した71名中52名(73%)は、ののしり言葉を喚いたときのほうが、口を閉じているときよりも我慢できたそうです。

ちなみに、ステファンズはこの面白い研究で、イグノーベル賞をとっています。

退屈な仕事など、我慢や忍耐を求められる場合には、少々はしたなくはありますが、汚い言葉を口にするのも悪くありません。

「チクショウ、負けないぞ!」
「クソ、このまま引き下がれるか!」

こんな感じの言葉を口に出しながら取り組めば、頑張れるのではないでしょうか。

ただし、周囲に人がいるかどうかは、きちんと確認しておきましょう。人に聞かれると、悪い印象を与えてしまうかもしれませんから。

重い荷物を運ばなければならないときや、やりたくもないゴミ拾いのボランティアにムリヤリ参加させられたときなどは、作業に取りかかる前に、一言、二言、心の中で「チクショウ」などと叫んでから始めてみてください。

やりたくない作業でも、それなりには頑張れるようになるかもしれませんよ。