「内向的か、外交的か」の判断基準

私たちは、自分に合ったことしかできませんし、やる気も出ません。

どんなにやる気を絞り出そうとしても出せないのであれば、自分には合わないことをやろうとしているのではないかということを疑ってみてください。

イスラエルにあるベングリオン大学のアヴィ・アソールは、570名の中学生に、内向性と外向性を測定する心理テストを受けてもらう一方で、「15人(あるいは1人)の知らない人の前で発表する」という状況で、どれくらいやる気を感じるかを調べてみました。

その結果、内向的な人は、「15人の前での発表」のときにやる気が出ず、逆に外向的な人は「1人しかいないときの発表」でやる気が出ないことがわかりました。

内向的な人は、一人で黙々と作業をするようなことが好きなタイプです。

引っ込み思案でもありますし、大声を出したりするのも苦手なので、大勢の人の前で発表しなければならないことは、苦痛でしかありません。そういう人にとっては「15人の前での発表」は気が滅入るのです。

逆に、外向的な人は、非常に社交的で、みんなとワイワイやるのが好きなタイプ。そういうタイプは、たくさんの人に見られると思えば、自然と興奮するのでやる気も高くなるのです。観衆が1人では、気分も盛り上がりません。

悶々としながら耐えてもやる気にはつながらない

この研究からわかるように、自分の肌というか、性質に合わないことでは、やる気が出ないのは当たり前なのです。

もし、どうしても仕事のやる気が出ないというのであれば、その仕事の内容が自分と合っていないという可能性があります。

そういう境遇で悶々としながら生活するよりも、いっそのこと違う部署への異動願を出すか、あるいは転職をしたほうがいいかもしれません。自分に合わないことは、逆立ちをしてもやる気にはならないでしょうから。

私は、会社を設立したときに、会社の経理を自分でやろうと思ったことがありましたが、1年も持たずに税理士にお願いすることにしました。

私はもともといいかげんな性格なので、経理の作業のようなものはどうしてもやる気にならなかったのです。

会計作業で机に伏せるビジネスマン
写真=iStock.com/Wavebreakmedia
※写真はイメージです

自分に合わないことは、やろうとしてもどうせやる気にもならないでしょうから、他の人に代わりにやってもらうようにしたほうが得策かもしれません。

お互いに自分の得意なことだけをやり、苦手なことはお互いに交換することができるのなら、どちらにとってもウィン・ウィンになります。

なかなかそう簡単にはうまく交換できないかもしれませんが、だれか自分の代わりにやってくれそうな人を探したほうが、自分でやるよりもてっとり早いということはよくあります。