『目に見えない資本主義』田坂広志著 東洋経済新報社

仕事の報酬とはなにか。著者は「働く」という言葉は、「傍(はた)を楽にする」という意味だったという。本業を通じて社会に貢献するという「日本型経営」の労働観や企業観は、世界の資本主義が「社会的企業」として目指すものと同じ。貨幣経済の視点では目に見えなかった価値が、これから復活してくると論じる。

数多くの起業支援をしてきたが、「金儲け」が目的の起業では成功しない。ビジネスの出発点は、誰かの役に立ちたいという思いだ。だが、日本ではいまだに多くの起業家が誤解されている。このため失敗に対する許容度が低く、企業の新陳代謝も悪い。この国の未来をつくるためにも、新しい価値を世に問う手伝いを続けていきたい。