健康で長生きするためには、どんな食生活を心がければいいのか。医師の佐藤典宏さんは「血糖値の上昇を抑えるほかに、腸内環境を整えることも必要だ。腸内環境の悪化は、がんを含むさまざまな病気の原因になることがわかっている」という――。
※本稿は、佐藤典宏『がんにも勝てる長生きスープ』(主婦と生活社)の一部を再編集したものです。
血糖値を下げる「食べる順番」
がんリスクを下げるために欠かせない食事のポイントがあります。
それが、食べる順番です。
「血糖値が高くなるとがんが進行するリスクが高まるため、お米やパンなどの主食は控えめに」とよくお話しているのですが、食後の血糖値の上昇は、何から食べるかによっても大きく変わってきます。
食べる順番の理想は、
①汁物や副菜の野菜
②肉や魚のおかず
③ご飯やパンなどの主食
です。
「スープファースト」でがんを遠ざける
食物繊維が豊富な野菜を先に食べて、糖質を多く含む主食を最後に食べるということです。
野菜を先に食べるベジファーストは、ダイエットや糖尿病予防に有効な食事法なので、ご存じの人も多いと思います。
野菜に多く含まれる食物繊維は、腸で糖の吸収を遅らせて食後の急激な血糖値の上昇を防いでくれます。
そこで、サラダや野菜の副菜があれば、それから食べてももちろん有効なのですが、野菜はスープやみそ汁の具しかないという場合は、ぜひスープを一番先に食べる「スープファースト」を実践してみてください。
ポイントは、食物繊維をとるためにスープの具材を食べること。汁にも栄養が多く含まれているのでぜひ飲んでいただきたいですが、それはご飯と一緒でも構いません。
また、スープファーストは血糖値を上げにくくしてくれるだけではありません。
具材を先に食べることで、噛んだときの刺激が満腹中枢に働き、満腹感をもたらして主食の食べすぎの予防にもなるので、ダブルで血糖値の上昇を抑えることにつながるのです。
がんを遠ざけるスープファースト生活。ぜひ実践してください。