一方、野田と枝野は、初当選以来の盟友関係であり、野田内閣で枝野は経産相として野田を支えた間柄だ。2人を支持する議員たちもリベラル系と保守系という違いはあっても、決定的に対立しているわけではない。

仮に2人の間で決選投票となると、泉や吉田を支持した議員たちはどう行動するのか。4人とも野党共闘の必要性や自民党政権を倒すということでは大きな違いはない。展開によっては、現職で最年少の泉が支持を集めるかもしれないし、吉田のフレッシュさに期待があつまることもないとは言えない。この代表選も自民と同様、最後まで結果を見通すことは難しい。

「政権交代前夜」どころか「遠い夜明け」を待つだけ

目の前の選挙で国民の支持を得るために、そして政権交代の受け皿としての期待を高めるためには、刷新感や世代交代が必要なのは言うまでもない。昔の名前で信頼を得ようとするベテランも、自らどう変わったのか、何を変えるのかを語ることで刷新感を演出することはできるだろう。

しかし、未知数であっても、若く新しい感覚を持った議員がリーダーを目指す姿を見せることが、何よりも有権者の期待を高めるのだ。だからこそ自民党の総裁選では40代の議員や女性議員が次々と名乗りを上げ、それが自民党全体を活性化させ、新たなエネルギーを注入していることは確かだ。

その意味では、昔の名前が3人に、知らない名前1人の争いとなった今回の立民の代表選挙は、政権交代の受け皿の姿をアピールするという点では大いに疑問が残る。

旧民主党政権が崩壊してから12年が過ぎた。分裂と再統合を繰り返す厳しい闘いのなかで、個々の政治家が自分の生き残りをかけた戦いに明け暮れるうちに、新人や若手を発掘し育成するという政党の重要な機能が立憲民主党から失われてしまった。

その結果が、事実上「昔の名前」の3人で代表を争うという構図に陥ってしまったのだ。これでは、「政権交代前夜」どころか「遠い夜明け」を待つだけに終わってしまわないか。陣営を問わず、そう不安感を漏らす立民議員は少なくない。

新宿の夜景
写真=iStock.com/mapo
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本気で政権交代を目指すなら、まずは結束が不可欠

しかし、問われているのはそうした体質だ。もはや内輪もめや執行部批判で足を引っ張っている余裕はない。左右の路線対立や、小沢アレルギーに見られるように、互いの違いに拘り、対立を繰り返しているうちは、政権をかけた決勝戦に勝ち抜くことなどとうていできないだろう。

立憲民主党が様々な対立を乗り越えて、新代表のもとで結束できるのかどうか。誰が代表になろうが、そこから本当の真価が問われることになる。

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