自分に過失がなくても2万~5万円を請求

また、免責補償と一緒に勧められるのがNOC(ノン・オペレーション・チャージ)補償だ。

NOCとは、事故でレンタカーを損傷させたり、車内で嘔吐して汚したりした場合、修理や清掃のため車が使えない間の「休業補償」のことである。

概ねどこのレンタカー業者でも自走して営業所までレンタカーを戻せる場合なら1回2万円、自走できない、つまりレッカー業者が車を引き取りに来るような場合は1回5万円に設定されている。

注意すべきは、利用者に過失がない「当て逃げ」事故でも扱いは同様ということ。NOCとは車が営業用として使えないことへの補償となるので、自分に非があってもなくても車が使えない場合はノン・オペレーション・チャージ(NOC)が発生する。本来レンタカー会社が稼げたはずの利益を生み出せなくなるため、その損害分を利用者に請求するわけだ。

1日1650円は安いか、高いか…

レンタカー台数や店舗数が日本最大のトヨタレンタカーの公式サイトには免責補償やNOC補償についておおむね以下のように説明されている。

①基本の補償(レンタカー料金に含まれる。対人・対物・車両補償で一部に免責金額設定あり)
②免責補償(24時間1100円を払えば、免責分を補償する)
③免責補償+NOC補償(24時間1650円払えば、②に加えてNOCも補償する)

【図表1】トヨタレンタカー 免責補償+NOC補償で1650円
トヨタレンタカー公式サイトより。免責補償+NOC補償で1650円
【図表2】ニッポンレンタカー 免責補償+NOC補償で1540円
ニッポンレンタカー公式サイトより。免責補償+NOC補償で1540円

レンタカー会社各社もほぼ同じようなシステム+金額となっている。

タイムズカー(カーシェア)は以下の通り、①②までは利用料金の中に含まれている(公式サイトより)。

対人補償(他人を死亡させたり、けがをさせたりした場合の補償)/1名につき 無制限 (自賠責保険 3千万円を含む)
対物補償(他人の物や車に損害を与えた場合の補償)/1事故につき 無制限 (対物免責額 0円)
車両補償(タイムズカーの車両に損害があった場合の補償)/1事故につき 時価額 (車両免責額 0円)
人身傷害補償(ご自身や同乗者が死傷した場合の補償)/1名につき 無制限

そのため、利用時に尋ねられるのがNOCなどを補償する「安心補償サービス」(1利用あたり550円)だ。