ウクライナで誕生した生後2日の赤ちゃんが、初めての空襲に遭遇しながらも昼寝を続けているという動画が、米オンライン掲示板「Reddit(レディット)」ユーザーに衝撃と悲しみを与えている。この動画を投稿した父親が、当時の恐怖を本誌に語った。
投稿者u/izoxUAは、レディットの「Oddly Terrifying(奇妙な恐怖)」チャンネルに、ウクライナの首都キーウの産院で安らかに眠る息子の姿を記録した不気味な動画を共有した。
この動画は、ロシアのジェット機を警戒する空襲警報のサイレン音から始まる。
屋外は混乱しているが、赤ん坊のローマンは深い眠りについており、父親の「心をかき乱した」出来事には気付いていないようだ。
父親は本誌の取材に対し匿名で、もともとは自分の両親のために動画を撮影していたが「この奇妙な世界」をほかの人たちにも見てもらいたいと思い、レディットで共有することにしたと語っている。
彼は空襲警報を1分ほど撮影した後、ローマンがガラスでけがをしないように窓から離し、即席の防空壕に避難した。
父親は動画の背景をさらに説明し、本誌にこう語った。「ウクライナでは警報が生活の一部になっているが、あの日はある種の恐怖を感じていた。ロシアによる大規模な攻撃が予想されており、とりわけロシア軍がキーウ最大の子供病院を攻撃した後だったためだ」
2022年2月にロシアがウクライナへの全面侵攻を開始して以来、戦争はエスカレートし、戦闘の拡大と死傷者の増加を招いている。
この戦争は深刻な人道的危機を引き起こし、ヨーロッパ全域の政治と安全保障の状況を左右している。
この投稿は8月7日現在、8000件を超える「いいね」を獲得しており、ブラジル、英国、ニュージーランドといった国々から何百ものコメントが寄せられている。
ウクライナで暮らす家族の現実に、多くの人が恐怖を覚えている。あるレディットユーザーは、初めて空襲警報の音を聞いたときのことを振り返った。「防空壕の中で、私は生後3カ月の子供、夫は1歳半の子供を抱っこしていた。今でも時々空襲警報の音で目が覚める」
別のユーザーは、1980年代の体験を共有した。
「ドイツで育った私たちは、安全上の問題から外で遊ぶことができなかった。いろいろな警報が鳴っていたのを覚えている。幸い、私の子供が知っているのは気象警報やアンバーアラート(児童誘拐事件が発生したときに発令される警報)だけだ。世界全体でこのようなことがすべて遠い記憶になることを祈っている」