「塾帰りの会話」で子供の理解度が見える

塾の授業がきちんと理解できているかどうかを確かめるのは、親子で会話をするのが一番だ。塾の授業があった日は、必ず振り返りをしよう。そう言うと、授業で習ったことを解き直すことだと勘違いしやすい。塾があった日は帰りが遅く、すでに子供は疲れている。ここで勉強をさせてもあまり効果はないだろう。それよりもぜひやってほしいのが、会話の中での振り返りだ。塾のお迎えの帰り道でもいい。今日は塾でどんなことを習ったのか聞いてみてほしい。

黒板に書く先生
写真=iStock.com/maroke
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そのとき、「今日は塾で何を習ったの?」とストレートに聞くよりも、「今日は塾で何か面白いことあった?」「○○先生のネクタイの柄は何だった?」といったたわいのない話から入ってみるといいだろう。こうした会話を続けていくうちに、子供はその日の授業風景を再現していく。大事な部分の記憶を直接掘り起こすのではなく、周辺の記憶から呼び起こしていくイメージだ。

そして、徐々に思い出してきたところで、「今日は塾で何を習ったの?」と聞いてみると、「あ、そうそう。今日は先生、こんなことを話していたよ」「ここが大事って言っていたよ」と、次々に思い出す。そうやって、その日の授業を振り返ることで、子供の理解度が見えてくる。

中学受験で親がすべき「本当のサポート」

もし、子供が会話を嫌がるようだったら、授業をちゃんと聞いていないか、授業についていけない状況なのかもしれない。そうやって親子の会話を通じて、子供の現状を把握する。その対策自体は塾に相談すればいい。

中学受験における親のサポートは、学習スケジュールの管理であったり、丸付けであったり、子供の現状を把握することだ。親である自分が勉強を教えなければと力を入れる必要はない。親が教えることで、子供の自信を奪うのなら、教えない方が絶対にいい。それよりも、どうしたらわが子が気持ちよく勉強に向かえるかを考えてみてほしい。子供を傷つけるのが親の言葉であれば、子供を気持ちよく勉強に向かわせるのも親の言葉の力にかかっている。どうか子供が前向きになれる言葉をどんどん渡してあげてほしい。それこそが、中学受験における親の一番の役割だと思う。

(構成=石渡真由美)
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