子供は自分の能力に対して自信が持てなくなる

そのイライラを浴びせられた子供は、「僕はお父さん、お母さんをがっかりさせてしまっている」「お父さん、お母さんの言うことを理解できない自分はバカなのかもしれない」とヘンに反省をしてしまうのだ。すると、自分の能力に対して自信が持てなくなってしまう。そして、勉強のやる気の源となる自己肯定感がみるみると急降下していく。こうなってしまうと、なかなか成績は上がっていかない。

勉強したくない娘を監視する母
写真=iStock.com/Hakase_
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一方、高学年になると、親の言うことを聞かなくなる子供も出てくる。反抗期かもしれないと流してしまいがちだが、そういう子でさえも親から浴びせられたイライラは心に傷を刻む。親の言葉をシャットアウトしようとするのは、自分を守るためでもあるのだ。親から見れば反抗期と映るその姿は、実は防衛本能の表れだったりする。どんな子供でも、親の言葉のナイフは深い傷を負う。

成績が上がらない時にやるべきことは「分析」

中学受験をさせようと思った理由──。それは、子供を傷つけるためではない。わが子の幸せを願って選択したはずだ。であれば、なかなか成績が上がらない子供を責めるのではなく、「どうすればうまく進めていけるか」を考えることに力を入れてほしい。テストの結果に一喜一憂するのではなく、その中身をしっかり分析する。それこそが、中学受験親に求められるサポートだと私は思っている。

まず、子供が勉強でつまずいていたら、その理由を分析してみよう。塾に行ってはいるものの、単純に授業中遊びほうけているかもしれないし、そもそも新しい単元を理解するための基礎学力が備わっていないこともある。もしくは、テストでは点が取れていないけれど、実はちゃんと理解できていることだってある。そそっかしい単純ミスで点を落としているだけかもしれないし、本番に弱いというだけかもしれない。

成績が上がらない理由は、勉強不足に限らない。そうやって、まずは何が原因で点が取れないのかを探ってみることだ。そして、対策を考えてみる。自分が仕事をしていてそこまで時間をかけられない、または自分にはそういうことを見る目がないと思うなら、そこは塾なり、家庭教師なり第三者の力を借りてもいいだろう。大事なのは、うまくいかない理由を放置しておかないことだ。