前年比で見えるもの

昨年の「27時間テレビ」は久々に復活した特番だった。

2017~19年は生でなく収録放送だった。そして2020年以降はコロナ禍で放送自体が見送られた。つまり昨年放送分は7年ぶりの27時間生放送だったのである。

興味深いことに、評価は真っ二つに分かれた。

全パートが個人全体・コア層・世帯視聴率で同時間帯横並びトップとなり「大復活」とする声。一方で番組の平均視聴率は前回(2019年)こそ上回ったが、その前年より下で「低迷」と見る向きもあった。

では、その前回と比べ、今回はどうだったのか。

【図表】去年と今年の比較~年齢別~
スイッチメディア「TVAL」データから作成

まず年齢別に検証しよう。

赤とピンクのグラフは、初日の放送開始から25時までの平均視聴率だ。個人全体は大差ないが、1~3層(男女20~64歳)で前年より落ちている。

また紺と青は2日目の18時から番組終了までだが、F1(女性20~34歳)と男女19歳以下を除き、全層で下落した。結果として個人全体でも0.5%ほど後退した。

ところが両時間帯とも、男女19歳以下では1%前後上昇した。

「超!学校かくれんぼ」や「カギダンススタジアム」など学校を舞台にした企画のおかげで、明らかに若年層の視聴率が上がった。特に芸人が短期間に本格的なダンスに挑んだ「カギダンススタジアム」では、男女中高生の視聴率が急伸していた。

やはり同世代が出演すること、そしてダンスの真剣勝負は若者に鉄板だったようだ。