30代、40代から学んでも十分間に合う
私は以前から盛んに、「英語を勉強してください」と言っています。それはなぜかと言うと、英語ができることは、現在でも非常に高い優位性だからです。通訳をつけられる人は別として、通訳をつけるだけの金銭的資源がない人は、英語を学ぶのは必須です。
今の若い人は英語ができる、と思う人も多いかもしれませんが、実はまったくそんなことはありません。それは勝手なイメージです。付き合いの長いヘッドハンターなどに言わせれば、「村上さんたち、団塊の世代の後が続いていない」のだそうです。
そういう意味で言うと、実力のある30代、40代でも今から英語を学べば、十分勝負できます。実際、グーグル日本法人では、日本語が得意な外国人を採用することが増えています。英語が使える優秀な日本人がなかなか見つからないからです。
どの業界でも、最近の若い子は英語ができるなどと言われていますが、正直それはほんの一握りです。そしてその中で本当に仕事ができる人はそのまた一握りです。昔も今も、人材プールの中身は大して変わっていないのです。
大勢の人が「英語」でふるいにかけられる
私は帰国後、いくつかの外資系企業の日本法人で社長を務めました。そして、2002年にグーグルからアプローチを受けました。200名の候補者がいたらしいのですが、おそらくコンピュータのことが分かり、マネジメントができ、かつ英語ができる人材を探していたのでしょう。でも私の経験から言うと、この条件から英語を外すと、人材は一気に20万人くらいになると思います。
それだけ「英語」というのは、その頃、とても貴重な価値だったのです。正直、今も同様だと感じています。確かに英語ができる人も増えてはいますが、たかが知れています。だから、20代に限らず、30代でも40代でも、とにかく英語を身につければ、相当な優位性になると私は考えています。特に40代で英語ができるとなると、一気に市場価値が上がってくるでしょう。