重読

同じ本を繰り返し読む読書法です。読書は読んだ冊数ではなく、そこから何をどれだけ学んで自分のものにしたかが重要です。凡庸な本を読むのなら、いい本を繰り返し読むべきだと私は思っている。

人間は環境や年齢の変化によって、同じ本を読んでもその都度、読み取る内容が違うし、伝わってくるものが違います。だから重読する意味があるともいえる。私にとっては自己啓発的な本がこれに当たります。松下幸之助さんの『道をひらく』や中国の古典の『菜根譚』、安岡正篤さんの『論語の活学』、ピーター・ドラッカーの本など、今までに何度読み返したかしれません。でも読むたびに新しい発見がある。重読の目的は、自分の考え方を高めること。つまり、自分の哲学、是非善悪の判断基準を持つことです。

重読はいい本を見つけて読む時間を決めるのがいいと思います。私の場合、寝る前と決めています。それもたくさんは読まない。1日3ページ読んだとしても、365日あれば1000ページ読める。普通の本は200~300ページですから、3冊分は読める。10年続ければ同じ本を何十回と読めます。

小宮コンサルタンツ代表取締役 小宮一慶
経営コンサルタント。京都大学法学部卒。東京銀行(現・三菱東京UFJ銀行)入行、米国ダートマス大学経営大学院にてMBA取得。2005年から09年3月まで明治大学大学院会計専門職研究科特任教授。1996年より現職。『ビジネスマンのための「読書力」養成講座』など数々のベストセラーをもつ。
(構成=小川 剛 撮影=小倉和徳)
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