干渉はせず、成果を上げたときには認め、ともに喜ぶ

英国に「偉大なる無関心」という言葉があります。「世界中から英国を訪れる多くの外国人がロンドンなどにいると居心地がよく感じられるのは、イギリス人が外国人に対して無関心であるから」というロジックです。

あれこれ干渉されないからこそ、外国人も英国から自由な空気や発想を得ることができるというのです。そしてそれが英国への愛着や自分の向上にもつながっていくという考え方です。

「ノーサービス・イズ・グッドサービス」(サービスしないことが最善のサービス)という考え方がベースです。

「上司からは何の指示もない」「自由にやれといわれているけど、とくに指導はない」ということが、結果として滞りの発生を防いでいるのです。

しかし、こういうと「何もしないならば上司なんかいらないじゃないか」と反論する人もいるかもしれません。

鈴木邦成『はかどる技術』(フォレスト出版)
鈴木邦成『はかどる技術』(フォレスト出版)

ところが、人間とは不思議なもので、「何もしなくても任され、期待され、注目されている」という雰囲気が肌で感じとれると、モチベーションが大きく上がり、滞りも解消するのです。

逆に「部下には手取り足取り教えなければならない」「逐一、報告してもらわないと次の指示が出せない」などと考えることが大きな滞りを生むのです。

したがって、干渉はしませんが、部下が大きな成果を上げたときにはそれを認め、評価し、一緒に喜んではどうでしょう。部下を高く評価して、その成長や成果を純粋な気持ちで喜ぶことで滞りも消え去ることになるのです。

「グッドボス・イズ・ア・グッドフレンド」(よい上司はよい友だち)でもあるのです。

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