BYDのEVを買おうと思う人は少数派
同年日本にも進出し、2025年までに年間3万台、つまりフォルクスワーゲンとほぼ同じ販売規模を目指している。
理想を高く持つのは決して悪いことではないが、3万台はさすがに盛りすぎだ。
モータージャーナリストとして純粋に商品性を評価すれば、内外装の仕上げも走行性能も、多くの方が想像している以上の出来映えになっている。
とはいえ、日本では国内メーカー8社に加え、各国の輸入車も販売されている。いくら価格が安くても、BYDのEVを買おうと思う人は少数派だろう。
個人的には年間5000台売れれば上出来と見ているが、まあそこはお手並み拝見である。
「BYDへの補助金」10兆円近いという説もある
BYDが日本メーカーのライバルになるとすれば、日本国内ではなくむしろ海外マーケットだ。
日本メーカーがほぼ独占的な地位を占めているタイでBYDのEV販売は伸び始めているし、他のASEAN諸国やメキシコ、欧州でも低価格を武器に販売を伸ばしている。
BYD車をバラバラに分解しコスト計算をした日本メーカーのエンジニアによれば、合理的な説明が付かない安さだという。
ドイツのキール世界経済研究所によると、BYDが中国共産党から受けた補助金は34億ユーロ(5700億円)となっているが、地方政府からの補助金や工場用地の提供、ファンドの形をとった実質的な補助金などを含めると、2016年から2022年の7年間に10兆円近い補助金が入ったという説もある。