7月7日投開票の東京都知事選に向けて、小池百合子都知事の動向に注目が集まっている。政治ジャーナリストの清水克彦さんは「小池氏が3選に向けて立候補すれば、蓮舫氏との事実上の一騎打ちになる。学歴詐称疑惑というアキレス腱はあるが、致命的な失敗がないというのが小池氏の強みだ」という――。
都知事選の前哨戦がスタート
6月4日に行われた東京都議会での代表質問。主な会派の代表者による質疑は、現職の小池百合子知事(71)と、最強の挑戦者、蓮舫参議院議員(56)との一大決戦の幕開けとも言える様相を呈した。
小池氏が、2期8年を振り返り、「チルドレンファーストの社会、安全・安心な社会の実現に大胆な発想で挑み、国をも動かしてきた」と実績を語れば、蓮舫氏が所属する立憲民主党の山口拓都議は、小池氏のカイロ大卒という「学歴詐称疑惑」について、成績証明書などの提出を強く求め、1期目で公約した「介護離職ゼロ」や「残業ゼロ」など「7つのゼロ」の達成度を厳しく追及した。
「きょうにも出馬表明か?」と報道陣が詰めかける中、議場に現れた小池氏は、オフホワイトのスーツ姿。ちなみに、「出馬表明があるのでは?」と見られた都議会開幕日の5月29日は青と白の格子のジャケット姿だった。
そういう日に出馬表明などない。なぜなら、小池氏の勝負カラーは緑だからである。
「緑の小池氏」vs「白の連邦氏」
振り返れば、1992年、参議院議員に当選し、国会に初登院したときは濃い緑のジャケット。2017年、「希望の党」を立ち上げた際、首に巻いていたスカーフや筆者ら報道陣に披露した党のロゴも緑。そして同年、地域政党「都民ファーストの会」を発足させたときも、イメージカラーに緑を選択してきた。
対する蓮舫氏の勝負カラーは白だ。今回の都知事選の構図を、各メディアは「著名な女性候補による頂上決戦」、「劇場型と一点突破型の戦い」と位置づけ、中には「学歴詐称と国籍問題、すねに傷を持つ女帝と批判の女王との消去法」など揶揄するものもある。
筆者は、近く小池氏が、緑を基調にした服装で報道陣の前に姿を見せたとき、ともに衆議院への鞍替えを視野に入れての「緑のたぬきと白ギツネ」の戦いが本格的に始まると見ている。