学歴詐称疑惑についてどう弁明するか

小池氏と蓮舫氏はともにテレビキャスター出身で知名度は抜群だが、それぞれにアキレス腱も抱えている。

小池氏の場合は、やはり「学歴詐称疑惑」だ。卒業したとされるカイロ大は、今のところお墨つきを与えているが、小池氏が都知事選で敗れ政治家でなくなった瞬間、手のひら返しをする可能性もなくはない。

小池氏が選挙戦で「学歴」に関してどう説明するかはもちろん注目だが、世に出る最初についた嘘を、最後までつき続けなければならないとすれば、それはあまりに哀しいと言うほかない。また、3期目に向け斬新さを打ち出せるかも焦点になる。

都庁
写真=iStock.com/K2_keyleter
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蓮舫氏も攻めの姿勢だけではいられない

蓮舫氏の場合は、日本と台湾の「国籍問題」以上に、その舌鋒の鋭さがアキレス腱となる。

国会での与野党対立を都知事選に持ち込み、ネガティブな部分にだけキャッチーなフレーズを用いているようではまず勝てない。選挙公約を発表したうえで、それらへの批判や小池氏との違いについても丁寧に答えなければならない。

たとえば、「8年前、『やりたいことは都政ではなく国政』と述べていたが、なぜ今度は都政なのか?」、「小池氏の政策をリセットして何をするのか?」という問いに、蓮舫氏はどう答えるのだろうか。

予算規模で見れば16.6兆円と、スウェーデンなどの国家予算に匹敵する東京都。そのトップを決める夏の首都決戦。全体で見れば、小池氏が「守り」、蓮舫氏は「攻め」の戦いになるが、公開討論会などが設定されれば、挑戦者である蓮舫氏にも一定の防御力が求められる戦いになる。

「緑のたぬきと白ギツネ」、「女帝と批判の女王」と、どうしても2人の対決に注目が集まるが、都知事選には毎回20人以上が立候補する。その中からどういう考えで誰を選ぶのか、有権者の「人を見る目」も試されている。

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