小池氏が優位である4つの理由
都知事選には、元航空幕僚長の田母神俊雄氏(75)や広島県安芸高田市長を務めた石丸伸二氏(41)らが出馬を表明しており、保守層や無党派層などの票の行方は予断を許さない。それでも、都知事選は小池氏vs蓮舫氏のガチンコ対決、しかも小池氏が優位という構図に変わりはない。
①都知事選には「現職は負けない神話」がある
過去に都知事選で現職が出馬した場合、負けたことがない。今回は出馬表明を遅らせ、蓮舫氏をじらすとともにメディアの注目を集めている。
②自公が推せば、基礎票で小池氏が大幅にリードする
・2022年7月の参議院選挙の得票から基礎票を推測すると小池氏有利
・小池氏の基礎票=約250万~260万票
自公3人(朝日健太郎、生稲晃子、竹谷とし子)と都民ファ1人(荒木千陽)の得票の合計から推測
・蓮舫氏の基礎票=約220万~230万票
立憲2人(蓮舫、松尾明弘)と共産(山添拓)、れいわ(山本太郎)の得票の合計ら推測
③連合が小池氏支援に回る可能性もあり
立憲民主党の支持母体、連合の芳野友子会長は、小池氏を「連合東京の政策を理解してもらい関係性も良い」と評価している。連合は、蓮舫氏を共産党が支援することに抵抗感が強く、まとまって蓮舫氏を支援することは考えられない。
④小池氏は、2期8年の間に「これはひどい!」という決定的な失敗はしていない
「7つのゼロ」はほとんど未達成だが…
特に④は重要だ。小池氏の公式ウェブサイトを見ると、「これまでのお仕事」として「待機児童の解消」「保育サービスの拡充」「男性の育児休業取得率アップ」「高校授業料の無償化」、それに「女性活躍の推進」といった項目について、グラフで達成度を「見える化」している。
もちろん、対立候補の蓮舫氏が5月27日の出馬会見で、「小池都政をリセットする」と批判したように、小池氏が就任当初から公約として掲げてきた「7つのゼロ」は、「ペット殺処分ゼロ」を除き、ほとんど達成されていない。
小池都知事が掲げる「7つのゼロ」
・待機児童ゼロ
・介護離職ゼロ
・残業ゼロ
・都道電柱ゼロ
・満員電車ゼロ
・多摩格差ゼロ
・ペット殺処分ゼロ
それでも、2016年の知事就任当時よりはさまざまな面で改善されているということを、ウェブサイトでアピールしている。