自民党への逆風は小池氏には吹かない?

元東京都庁幹部の澤章氏は言う。

「小池氏にとっては、初めて『守り』の選挙になりますよね。これまでは自分でイニシアチブを握って戦いを進めてきたのが、今回は蓮舫氏に突き上げられる形。とはいえ、個々の政策で問題だなと思うことはありますが、隙はないですよね。『これはひどい!』というミスはしていませんよね」

「このところ、衆議院の補欠選挙や地方の首長選挙で、政治とカネの問題に関して自民党に逆風が吹いていますが、その逆風が小池氏にも影響するかというと、それは別物だと思います。たとえば、東京・港区長選で自公が推薦した現職を破った清家愛さんと都庁で会って、意気投合した様子を見せましたね。それは逆風への危機感ではあるのですが、さらっと取り込むあたりは小池氏らしいと思います」

元都庁幹部も認める小池氏の強さ

澤氏と言えば、東京都庁で、知事本局計画調整部長、中央卸売市場次長、選挙管理委員会事務局長などの要職を歴任しながら小池氏を間近で見てきた人物だ。著書『築地と豊洲』(都政新報社)や『ハダカの東京都庁』(文藝春秋)でも知られている。

その澤氏は、小池氏が今年1月4日に発表した「018サポート」(東京都内に在住する18歳以下の子どもに1人あたり月額5000円を支給する事業)を例に、「これは岸田文雄首相が年頭会見で発表した『異次元の少子化対策』にぶつけたもので、世間の目を自分へと向ける政治的なパフォーマンスだ」と批判している。また高校授業料の無償化に関しても、「埼玉、千葉、神奈川との地域間格差を助長してしまっている」と懸念を示す。

ただ、そんな澤氏でも、致命的な失敗がない小池氏の強さは認めているのだ。